■■ ESHの解決策
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                          2017.12.6 No.436

企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

先日、2017年に話題になった言葉に贈られる「新語・流行語大賞」が発表され
ました。年間大賞に選ばれたのは「インスタ映え」と「忖度」だそうです。

「インスタ映え」の受賞理由は「テキストよりも大事なのは画像。SNSでの
『いいね!』を獲得するために、誰もがビジュアルを競い合う。インスタグラ
ムの投稿者だけでなく、ケータイで写メを撮る行為に『インスタ映え』という
意識が浸透した」ということです。

「SNS?」「インスタグラム?」「いいね!獲得?」と全くピンとこない私
には縁のない言葉ですが、世間では多用されているのでしょう。きっと。

「流行語大賞」にも乗り遅れ、一抹の寂しさを感じる年の瀬ですが、無事に年
末を過ごせるよう気をつけたいと思います。(門)



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■環境不祥事の教訓

◆化学工場また爆発 事故防止、設備以上に人材がカギ/静岡(12/1)

静岡県富士市にある荒川化学工業の富士工場で1日午前、大きな爆発があった。
従業員とみられる十数人が病院に緊急搬送され、そのうち60歳代の男性1人が
死亡した。可燃性の製品や素材を多く扱う化学工場は、安全規制が幾重にもか
かり、厳重な保安体制を敷いている場合が多い。それでも大きな事故が後を絶
たないのはなぜか。過去の事例から原因を探ってみる。

▼三菱化学 鹿島事業所

2007年12月、三菱化学(現三菱ケミカルホールディングス)の鹿島事業所(茨
城県神栖市)のエチレンプラントで爆発事故が起き、作業員4人が死亡した。
分解炉のメンテナンスの後、空気関連の弁の施錠を怠ったため、冷却用の油が
流出し引火したことが原因とみられる。

▼東ソー 南陽事業所

11年11月、東ソーの南陽事業所(山口県周南市)で爆発火災事故が起き、工場
の管理職1人が死亡した。塩化ビニール樹脂原料の生産ラインの塩酸タンクか
ら白煙が上がった直後に設備が吹き飛び、火が付く状況だった。

外部の専門家を交えた事故調査対策委員会が後日まとめた報告書では、運転員
が半日前に起きた軽微なトラブルに対処する際に設備を止めて、可燃性の化学
品と塩酸が混じった状態を長時間放置したことが原因だとしている。当時の宇
田川憲一社長は「混ぜると熱を持つというのは化学の基礎知識。現場力の低下
を指摘されても反論できない」と反省の弁を述べている。

▼三井化学 岩国大竹工場

12年4月、三井化学の岩国大竹工場(山口県和木町)のプラントで爆発を伴う
火災が発生、社員十数人が重軽傷を負い1人が死亡した。トラブルを起こした
設備の冷却を早めるために、運転員が独自の判断で緊急停止装置を解除したの
が原因だった。冷却用の循環水の流れを復旧するための措置だったが、化学反
応を制御する窒素の供給まで解除されてしまうことに気が回らなかった。

▼日本触媒 姫路製造所

12年9月、日本触媒の姫路製造所(兵庫県姫路市)で爆発が起き、消防隊員1
人が死亡、従業員ら36人が重軽傷を負った。当時、紙おむつに使われる高吸水
性樹脂の需要が逼迫。その原料となるアクリル酸の増産余力を測定するため、
通常とは異なる設備運転をしているさなかの事故だった。後日の調査では、特
別な場合の運転方法への作業員の知識不足と、温度監視装置の不備が原因とし
て指摘されている。

▼DOWA 埼玉工場

16年1月、DOWAホールディングスの製造子会社、DOWAハイテック(埼
玉県本庄市)の化学品工場内でタンクが破裂し、作業員2人が死亡した。太陽
光パネルの導電材に使う銀粉を製造しており、タンクに付着した銀を洗浄する
作業をしていた際に事故が起き、有毒ガスを吸い込んだとされている。

●問われる現場力

高度経済成長期に整備された化学工場の多くは、建設から数十年が経過してお
り、事故原因として老朽化が疑われやすい。ただ、過去の事例は、老朽化より
ヒューマンエラーに原因がある場合が多いことを示している。

実際、可燃性が高く有毒な物質を多く扱う化学工場には、高圧ガス保安法、消
防法、労働安全衛生法などによる厳重な安全規制がかかっており、規制当局に
よる査察が定期的に行われている。定期修理も頻繁で、見た目は古そうでも設
備のパーツは比較的新しい。

ヒューマンエラー多発の背景として、3つの要因が指摘されている。第1が世
代間格差。化学業界はオイルショックの直後に採用を絞ったため、従業員の年
齢構成はいびつだ。現在、ベテラン層は定年退職の時期を迎えているが、その
ノウハウを受け継ぐべき中堅技術者の人数が不足している。

第2が外部人材活用の副作用だ。コスト抑制の一環で、協力企業や派遣社員が
工場現場の重要プレーヤーになっているケースが多いが、本社と外部人材との
意思疎通が十分ではないケースが散見される。

第3が高付加価値製品の増加だ。中東と中国で大型設備の建設が相次ぎ、米国
ではシェールガス由来原料の化学工場の建設が増えた。日本の化学企業は汎用
品では競争力を維持できなくなっており、高付加価値品を多品種少量生産する
取り組みを加速させている。その結果、化学工場はたくさんの設備を何十もの
配管でつなげる複雑な構造に変わり、運転員に必要なスキルが激増している。

12年の東ソーの事故以降、化学会社は業界を挙げて安全マニュアルの見直し・
拡充、教育機能の強化に取り組んでいる。しかし、事故を完全になくすのは難
しい。地道で継続した安全対策が必要だ。
(日本経済新聞)


◆解説

引火性の化学物質を使ってインクの原料となる樹脂を製造していたのですから、
常に爆発のリスクは潜在しています。

多くのリスク管理策を講じて爆発・火災を予防しているのですが、そのうちの
何かがエラーしてリスクが顕在化したのです。

原因究明が待たれますが、この記事では従事者の力量に焦点を当てています。

同社の「環境保安方針」には次のような保安に対する立派な記述があります;

4. 事業活動における環境・保安事故および労働災害の防止のため事故事例を
   解析し、情報を収集して適切な防止対策を実施する。
5. 製品の開発および新プロセスの開発は、環境・安全・健康の確保に配慮し
   て行う。
6. 製品、原材料等取扱い物質の環境・安全・健康への影響に配慮し、安全性
   の調査・研究に努める。


また、同社の「環境・社会報告書2017」では、保安体制について次の記述があ
ります;

役員を委員長とする環境保安委員会(P18参照)のもとで、安全・保安への取
り組みを進めています。この委員会で出された基本方針に基づき、各事業所で
は、年度ごとに「保安管理計画」を策定し、目標達成に向けて日々の活動に取
り組みます。
また、生産本部では、品質・環境・保安について、「PQC(プロダクト・クオ
リティ・コントロール)会議」「環境会議」「保安会議」を開催して情報共有
することで、トラブルの抑止につなげています。
品質環境保安室では、国内外の事業所と関連会社に対する査察を毎年実施し、
適切な支援を実施しています。


これらの取組みが空論に終わらぬよう内容の充実が必要で、多くの組織が他山
の石とすべき事例です。



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■労働災害の真相

◆切断機に安全装置を備え付けず書類送検 堺労基署 (11/17)
 
大阪・堺労働基準監督署は、切断機を使用させる際に安全確保措置を講じなか
ったとして、工業用ゴム製品を製造している極東ゴム(大阪府堺市)と同社製
造部長を労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで大阪
地検に書類送検した。

平成29年4月、同社労働者がシャーと呼ばれる切断機を用いて原料ゴムを切断
していたところ、手指を切断する労働災害が発生した。同社は、切断機に対し、
両手操作式や光線式の安全装置を備え付けていなかった。「使用頻度が低い機
械で、対策を講じていなかった」と話している。別の切断機には、以前労基署
から監督指導を受けたとき、安全装置を取り付けている。
【平成29年10月27日送検】
(労働新聞社)


◆解説

「使用頻度が低い機械で、対策を講じていなかった」とのことですが、多くの
組織も教訓とすべきです。

このシャーは、通常の生産設備ではなく、治工具加工などのために工作室で使
用されていたものと推察されます。

最近、労働安全衛生法に関するコンプライアンス監査のご用命をいただくこと
が増えていますが、生産設備については十分な安全対策を講じていても、工作
室が盲点になっているケースは数多く存在します。

例えば、次のような不適切な事例があります;

・工作機械の安全カバーの損傷
・アーク溶接に対する排気装置の不備
・溶接用ガスボンベの固定不良
・洗浄用有機溶剤の不適切な保管
・管理されていない個人用保護具(放置、期限切れ)
・玉掛用吊具(ワイヤー、スリング)の管理不良
・非常口や消火器のアクセス不良
・研削砥石のシールド損傷
・電動工具類のケーブル損傷
・5S不良

使用頻度が低いからこそ、そして多くの人々の目に触れないからこそ注意が必
要です。

安全パトロールや安全管理者の巡視においても工作室を確認していただき、OH
Sリスクを低減していただくことを期待します。



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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介


■復活!今日の言霊

 「手を抜く方が疲れる」


■新着情報

 ★ISO/FDIS 45001発行
 
 ◎廃棄物の処理及び清掃に関する法律(水銀関係)


■環境不祥事の教訓

 より詳細な解説と参考事例紹介


■労働災害の真相

 より詳細な解説とベストプラクティス紹介


■環境事故・ニュースレポート

 全国の事故・事件情報 6件


■労働災害レポート

 全国の労働災害・書類送検情報 25件



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